【猫の育て方アドバイザー監修】危険な食べ物に注意!猫が食べてはいけないものと誤食時の正しい対処法

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【猫の育て方アドバイザー監修】危険な食べ物に注意!猫が食べてはいけないものと誤食時の正しい対処法
  • 「猫が勝手に人間の食べ物を食べてしまった!どうしたらいいの?」
  • 「自分が食べているものを猫が欲しがるけど与えてもいいの?」
  • 「食べ物以外に気を付けたほうが良いものってあるの?」

猫を初めて飼う方や、長年飼っていても、実は猫にとって有害になる食べ物があることを知らない方も少なくありません。人間が美味しく食べれるものだからと、猫にも食べさせてあげようと与えたら、予期せず体調を崩してしまう場合もあります。

人間よりも小さな体の猫だからこそ、誤食をしてしまった場合、人間以上に重篤な症状を起こしてしまうこともあるので、初期対応が大変重要になってきます。いざという時に焦らないためにも、日頃から猫にとって何が無害で何が有害であるのか。有害なものを摂ってしまった場合は、どんな症状が出るかを知っておくと安心です。

この記事では以下のようなポイントを分かりやすく解説していきます

  • 猫が食べていけないものはどんなものがあるか?
  • 有害なものを食べた場合どんな症状がでるか?
  • 誤食した場合の対処法
  • 誤食を防ぐためにできること

猫の育て方アドバイザーの筆者がお伝えしていきます!ぜひ参考にしてくださいね。

猫が食べてはいけないもの8選【身近に潜む危険】

普段私たちが何気なく口にするものでも、猫にとっては命に関わる危険を及ぼす可能性がある食品も多くあります。

私たち自身が平気なので、うっかり猫の手に届くところに置き忘れてしまって誤食してしまったという事故も多発しているので、日頃から注意が必要です。ぜひ参考にしてみてください。

①野菜|ネギ類・アボカドは猫の体に有毒

野菜のなかで注意が必要なのはネギ類とアボカドです。特に、ネギ類は猫にとって重篤な症状を起こす可能性があります。アボカドについては、アボカドに含まれる「ペルシン」という化合物の毒性が嘔吐や呼吸困難などの症状を引き起こすと考えられています。

アボカドは1,000以上の種類があり、ペルシンの含有量が少ないものもあります。猫が食べてしまったからと言って必要以上に慌てず、お近くの動物病院にすぐに相談することをおすすめします。

ネギ中毒とは?

主に、長ネギや玉ねぎ、ニラ、ニンニク、らっきょうなどのネギ類に含まれる「有機チオ硫酸化合物」や「アリルプロピルジスルファイド」という成分により、猫は溶血性貧血を引き起こします。赤血球が破壊されるので、その症状は非常に重篤になる可能性が高いです。

具体的な症状としては、嘔吐、下痢、呼吸器障害、発熱、ふらつき、血尿、貧血により歯茎や目の結膜が白くなるなどが挙げられます。すぐに症状が出る場合と、数日後に症状が現れる場合があるので、万が一、ネギ類を食べてしまった場合には、すぐに動物病院を受診してください。

症状が出る摂取量の目安

成猫であれば、ネギ類が入ったスープをひとなめする程度や、生のネギを一欠けら食べたくらいであれば、心配し過ぎることはありません。目安としては、体重1kgにつき5g程度のネギを摂取すると中毒症状が現れると言われています。

ただし、子猫の場合は解毒機能が発達していないので少量のネギの摂取でも症状が現れる場合があるので、注意が必要です。

ネギを食べたときの初期対応

ネギ中毒に対する家で出来る応急処置は存在しません。ネットの記事で、オキシドールなどを使用して吐かせる方法などの情報がありますが、猫にとっては負担が大きくなりすぎる場合があるので絶対にやめてください。

ネギ中毒が自然に治癒することもないので、猫がネギ類を誤食してしまった場合には、まず何の食材をいつ、どのような状態で、どのくらい食べてしまったかを把握した状態で、迅速に動物病院を受診するようにしましょう。

②果物|ぶどう・レーズン・柑橘類のリスク

意外に思われる方も多いかもしれませんが、猫はぶどうやぶどうを加工したレーズンなどを摂取すると腎不全を引き起こす可能性があり、大変危険な食品です。品種や部位に関係なく、少量でも危険なので、まずは猫の手に届かない場所に保管するのが良いです。

ジュースやワイン、お菓子などにブドウが使用されている場合はそういった食品も同じ症状を引き起こす可能性があるので注意が必要です。摂取後1時間程度で、毒素が吸収されるので誤食が発覚した場合は速やかに動物病院へ連れて行きましょう。

柑橘系のフルーツは果実自体には問題はないのですが、皮に含まれる「リモネン」という物質が猫にとっては有害なので注意が必要です。誤食してしまうと、嘔吐や手足の震え、最悪の場合は死に至る可能もあります。リモネンを含む、洗剤やアロマオイルも有害なので、猫の手の届かないところへ保管するようにしましょう。

③甲殻類・貝類|エビ・カニ・アワビの危険性

エビやカニなどに含まれる「チアミナーゼ」という成分は、体内のビタミンB1を破壊してしまう作用があります。ビタミンB1には炭水化物や糖質をエネルギーに変える働きがあるため、ビタミンB1が欠乏すると充分なエネルギーが補給できない状態になるのです。結果、嘔吐や痙攣などの症状が起こる場合があるので注意が必要です。

ただし、チアミナーゼは熱に弱い成分なので、加熱処理をしたエビやカニであれば、食べても問題ありません。加熱後のエビやカニの注意点としては、消化に良くない食べ物であるということ。アレルギーを持っている猫には不向きであること。などが挙げられるので、極力与えない方が安全ではありますね。

アワビの肝の黒い部分「中腸腺」には、「ピロフェオホルバイドa」という有害物質が含まれており、これを摂取すると光過敏症を引き起こす可能性があります。光過敏症を引き起こすと、特に紫外線の当たりやすい耳に炎症を起こし、猫が耳を搔いてしまい壊死すると最悪の場合、耳が落ちてしまうこともあるので非常に危険です。

④菓子類|チョコレート・ナッツ・甘味料の注意点

菓子類の中でも、チョコレートは特に注意が必要です。以下の項目で詳しく説明しますね。他には、ナッツ類も注意が必要です。マカダミアナッツやスイーツの香料に使用されるビターアーモンドは中毒になる恐れ、クルミに含まれる「ペニトリウムA」は痙攣や舌を出してハァハァ呼吸するパンティングを引き起こしたりします。

他のナッツに関しては、食べても問題がない場合が多いですが、総じて脂質が多く肥満や下痢、嘔吐の原因にもなり殻を誤食する危険もあります。他の菓子では、チューインガムなどに使用される人工甘味料のキシリトールも、嘔吐や痙攣、肝機能の障害を起こす可能性があるので、注意が必要です。

チョコレート中毒の症状とは

チョコレートに含まれる「カフェイン」や「テオブロミン」の影響で、誤食をしてから2~6時間後に嘔吐や下痢、失禁などの症状が現れ、その後数時間で不整脈や震え、呼吸の乱れなどが現れる場合があります。症状は3日から数日間にわたって続くこともあり、誤食した量によっては死に至る場合もある、大変危険な中毒症状です。

猫が食べてしまったらすぐにするべきこと

猫の体質によっては、症状の出方が早い場合もあるので、誤食が発覚した場合は早急に動物病院に連れて行くようにしましょう。飼い主自身で無理に吐かせようとすると、余計に悪化する恐れもあるので、いつ、何を、どのくらい食べたかを把握し伝えたうえで、治療は医師に任せるようにしましょう。

食べてしまったチョコレートのパッケージなども持参すると、素早く正しい処置が受けられるので可能な限り持っていくようにするといいですよ。

⑤飲み物|コーヒー・緑茶・アルコール類は厳禁

まずコーヒーは、チョコレート中毒の原因と同じく「カフェイン」が猫に悪い影響を与えます。誤飲後に、興奮した様子や痙攣、嘔吐、下痢、不整脈などの症状が見られたら、中毒症状を起こしている可能性があるので、すぐに病院へ連れて行きましょう。

カフェインレスコーヒーであっても、ごく少量のカフェインが入っている可能性があるので、誤飲が発覚した場合は、早急に動物病院を受診する方がいいです。緑茶も同じく「カフェイン」による中毒症状の危険性と、種類によっては「シュウ酸」が入っていて、尿石になる可能性があるので与えないようにしましょう。

アルコールですが、猫はアルコールを分解する酵素を持っていません。そのため、誤飲した場合は非常に危険度の高い飲料と言えます。症状としては、嘔吐や下痢、呼吸困難や意識がなくなるなど、緊急性の高い症状が現れる場合が多いので、アルコールの誤飲が発覚した場合には、時間を置かずに早急に病院を受診するようにしましょう。

⑥その他の食べ物|生肉・生卵・骨・ドッグフードなど

生肉を誤食した場合、寄生虫や食中毒などの危険性があります。人間用に販売されている肉類は加熱することを前提に作られているので、鮮度が落ちており生食には向きません。生卵に関しては、サルモネラ菌による食中毒や、白身に含まれる「アビジン」が「ビオチン欠乏症」を引き起こす可能性があります。

アビジンは少量であれば、急に症状がでることはありませんが、長期的に与えると皮膚炎や神経異常などを起こすので食べさせない方が賢明です。骨ですが、食べること自体に問題はありませんが、加熱した骨の場合、縦方向に裂けやすくなっており、体内で内臓に刺さってしまう可能性があり危険です。

誤食の恐れがある場合、一旦様子を見て痛がったり、吐く様子がある場合はすぐに病院を受診しましょう。最後にドッグフードを誤食した場合ですが、基本的には問題はないのですが、一部のウェットフードには「プロピレングリコール」が含まれており、誤食した場合は貧血や中毒症状を起こす可能性があり危険です。

⑦植物|ユリ・ヒガンバナ・観葉植物に要注意

ユリの花やユリ科の植物は、猫がどこの箇所を食べても中毒症状を起こす可能性があり、非常に危険な植物です。ユリを活けていた水であっても、舐めてしまうと中毒症状が出る場合があるので、猫を飼っているご家庭はユリを活けないことをおすすめします。ユリ中毒になると、重度の急性腎不全を起こすので、誤食には注意が必要です。

最初に嘔吐などの症状が起こり、一旦症状が収まるのですが、その後一気に腎障害が進むので誤食した場合は必ず病院へ連れて行ってください。ヒガンバナには、「リコリン」が含まれており、どこの箇所を食べても最悪の場合、死に至る可能性があります。特に球根は毒性が強いので注意しましょう。

観葉植物の種類によっては、猫にとって有害になります。具体的には、モンステラなどのサトイモ科の植物やアロエなどの多肉植物、ゴムの木、ポトスなどが挙げられます。観葉植物以外にも、朝顔などのナス科の植物やシャクナゲなどのツツジ科なども危険なので、植物を育てたい場合は下調べしてから購入することをおすすめします。

⑧その他|牛乳・古いフード・加工食品・イカ・タコなど

一見、牛乳は体に良さそうですが、牛乳に含まれる「乳糖」を猫は分解することが出来ず、消化不良を起こす場合があります。誤食後、嘔吐や下痢の症状がある場合は消化不良が原因であることが考えられます。誤食後、湿疹などの症状がでた場合はアレルギーの可能性もあるので、心配であれば病院で相談されることをおすすめします。

古いフードは酸化したり、カビや菌が繁殖していた場合、食中毒を起こし、嘔吐や下痢、発熱などの症状が現れるので、このような症状が見られた場合は病院を受診するようにしましょう。加工食品では、にぼしやハム、かつお節、海苔などは塩分が多いので、尿石の原因になる可能性があります。

他には、豆腐に含まれるにがりが尿石の原因になったり、あんこは糖分や塩分が多く腎臓病の原因になる可能性があるので与えない方がいいでしょう。生のイカや生のタコは「チアミナーゼ」という成分が含まれており、「ビタミンB1欠乏症」を起こす可能性があるので、絶対に与えないようにしましょう。

猫が危険なものを食べてしまったときの3つの応急対処法

ここまで、猫にとって危険な食べ物をご紹介してきましたが、どれだけ気をつけていても誤食をしてしまうこともあります。ここでは、誤食してしまった場合の対処法をご紹介しますので、実際に誤食が起こった場合に落ち着いて対応できるように、一度目を通してみてくださいね。

①まずは猫の様子を冷静に観察する

誤食の可能性がある場合は、まずは焦らずに猫の様子を観察してみましょう。実際には誤食をしてない場合もありますので、落ち着いて周りの状況なども確認してみると良いですよ。

誤食が発覚した場合は、どんな症状がどの程度出ているかを確認しておくと、病院へ連れて行った際に適切な治療が受けられるので、よく確認しておきましょう。

②無理に吐かせず、すぐに動物病院へ連絡

誤食が分かった場合、吐かせたくなる気持ちもよくわかるのですが、無理に吐かせると誤食したものがのどや内臓に傷をつけたりして、体に負担をかけてしまう恐れがあるので絶対にやめましょう。誤食が発覚した段階で、早急に動物病院へ連絡をして指示を仰ぎましょう。

③食べたもの・量・時間をメモして伝える

誤食が判明したら、「誤食してしまったものが何か?」「どのくらい食べたか?」「いつ食べたか?」をメモして、しっかりと伝えるようにしてください。病院へ行く際は、誤食してしまったもののパッケージなどがあれば、一緒に持参すると適切な処置を受けられる可能性があがるのでおすすめです。

誤食を防ぐために飼い主ができる3つの工夫と注意点

大切な愛猫の健康を守るためにも、日々の暮らしの中でできる工夫をお伝えします。手間に感じることもあるかもしれませんが、誤食をしてしまう危険性を考えると大変重要なことばかりなので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

①食べ物は猫の届かない場所に収納する

猫が勝手に食べ物を食べてしまわないように、食べ物は猫が登れない場所や入れない部屋に収納するようにしましょう。猫が開けづらい蓋がしっかりとついた容器に入れたり、扉に安全ロックなどを付けて保管しておくと、誤食の危険性を防げるのでおすすめですよ。

②人間の食事を与えない習慣を徹底する

日々の食事の中で、猫におねだりされてついついご自身が食べているものを与えてしまうという方もいるかもしれませんが、人間の食べ物がおいしいと覚えてしまうと人間用の食べ物に興味を示す原因になってしまいます。

そうなると、人間の目を盗んで猫にとって有害なものを誤食してしまう危険性が増してしまうので、絶対にやめるようにしましょう。

③ゴミや残飯、外出時の環境にひと工夫

目を離したすきにゴミや残飯を漁って誤食してしまう場合もあるので、面倒かもしれませんがごみ箱は蓋つきで可能であればロックがかけられるものを選ぶといいです。合わせて猫が嫌う柑橘系などの香りのスプレーを振っておくと近寄らなくなる場合もあるので、ぜひ試してみてください。

外出時は、極力ケージに入れておくのが安心です。そのためにも、普段からケージの中である程度の時間過ごせるように慣らしておくことが大切です。猫の安全のためにも、少しずつ訓練することをおすすめします。

猫に与えてはいけない「危険な食べ物」一覧【保存版リスト】

猫に与えてはいけないものについてご紹介しましたが、思った以上にたくさんあり、驚かれた方もいらっしゃったのではないでしょうか。以下、危険な食べ物を一覧にまとめましたので、ぜひ保存していつでも見返せるようにしてみてくださいね。

食品名原因物質や症状
ネギ類
(玉ねぎ、長ねぎ、ニンニク、ニラ)
溶血性貧血を引き起こす
チョコレート・ココア含有カフェインとテオブロミン
魚や鶏の骨内臓破損や喉づまりのリスク
アワビ・貝類皮膚炎・神経症状を引き起こす
牛乳・乳製品下痢・消化不良の原因に
お菓子・砂糖類血糖値や肥満リスク
ドッグフード栄養バランスの崩れ
古いドライフード酸化による健康被害
イカ・タコチアミン分解酵素による障害
生卵の白身ビオチン欠乏症に
豚肉トキソプラズマや寄生虫の危険
青魚脂質過多による黄脂症
レバー過剰摂取によるビタミンA中毒

猫に有毒な植物・薬品・化学物質にも注意!

何気なくお部屋に飾っていたり、普段使用しているようなものでも、猫が誤食してしまうと非常に重篤な症状を起こしてしまう場合があります。前半でお伝えした通り、よく見る植物であればユリ科やヒガンバナ科の植物など、植物を少しかじったり、活けていた花瓶の水を舐めるだけでも危険なものがあります。

植物の成分を凝縮したアロマや製油も猫は代謝できず、中毒症状を起こすので使用は避けた方がいいです。安全そうに見える観葉植物もゴムの木やポトスなどは誤食してしまうと、嘔吐や下痢、皮膚炎などの症状を起こす場合もあるので、飾りたい場合は猫にとって危険性がないか調べてから購入するようにしましょう。

他には、人間用の薬や人間にとっても有害なタバコの誤食もまれに起こっているので注意が必要です。誤って食べてしまうと、タバコであればニコチン中毒、薬であれば薬の種類によって重篤な症状になってしまう場合があり大変危険なので、絶対に猫の手が届くところへは置かないようにしてくださいね。

猫の体質による「食物アレルギー」の可能性

人間に食物アレルギーがあるように、猫にも食物アレルギーが起こる可能性があります。よくある食物アレルギーの例としては、肉類や魚、小麦、たまご、大豆などが挙げられます。食物アレルギーを起こすメカニズムは、ほとんどが人間と同じです。

具体的には、原因となるたんぱく質を猫の体内にある免疫が敵と間違って攻撃してしまうことで、炎症が起こり、体調が崩れてしまうという仕組みです。これは、生まれつきの遺伝的な要因である場合もあれば、同じ食品を食べ続けたことによる後天的な要因である場合もあります。

猫の急な体調不良は、誤食の他にアレルギーが原因になっている場合もあるので、猫の様子がおかしい場合はよく状況や症状を観察したうえで、動物病院へ相談することをおすすめします。

まとめ

今回は猫の誤食について解説しました。猫にとって害になる食材は意外と多く驚いた方も多いのではないでしょうか?食材だけでなく、うっかり部屋に飾ってしまいそうな植物やアロマオイルなども有害なので、普段から注意が必要です。

日常から気をつけていても、突然事故が起こることもありますので、万が一の時に迅速に動けるようにぜひ参考にしていただければと思います。実際に誤食が発覚した場合は、絶対に自己判断で吐き出させるなどの応急処置をせずに、まずは動物病院に相談するようにしてくださいね。